母と祖母

母はパチンコが大好きである。
それはもう、旅先でも行くほど。
というより・・・旅先ほど行きたがる。
とはいえ近年は疲れが先でさすがに旅先で行かなくなったが。

母はかなりな貧困の中で育ったが、
貧困と言えば貧困であっても世の中貧困だったので、
大して気に病むことはなくそれなりに生きてきたっぽい。

看護学生の間、住み込みなので優等生であり続けたが、
少ない小遣いの中で遊びもこなしてきたらしい。
パチンコはその頃覚えたものなのかどうか、そういえば聞いた事が無い。

親父が生きている頃は隠れて行った。
あの人は負ける事が嫌いで賭け事はしなかった。
単に気が小さいということもあるが。

私はじっとしていられない方なのでやらないが、
座っていられて自分のペースで出来るのがいいらしい。
パチンコといえばタバコ吸いが多いが母は吸わない。
酒も家で飲むことは無い。
梅酒の味見とか外で乾杯くらい。
だから唯一の楽しみで良いと思う。

最近は減ってしまったようだが、
パチンコ屋さんに行くと紙コップの自販機がまた良いらしい。
特に冬はココアがお気に入りのようだ。
以前は可愛いオネエチャンが飲み物のオーダーを取っているサービスもあったが、
これも今は激減したようだ。

旅先でも数え切れないほど行った。
パチンコ屋の場所をチェックしてから旅に行っていたほどだ。
(だって清里でさえ行きたがるのだから)
まあ、旅はともかく、
パチンコに行かなくなったらヤバくなるときだと思っている。

その母の母である、私の祖母。
明治生まれのこの人は若い頃結婚する予定ではなく、芸者置屋に勤めに行ったらしい。
(芸妓ではないので、女衆さんか下働きさんだと思う。)
そこでお姐さん達に可愛がられ・・・
まあ色々教わったらしい。

私の知る頃には既に伯父の家に住んでいて「家事をするお祖母ちゃん」だったが、
(伯父の家は店だったので家事は祖母が担当)
実はキッチンドリンカーだったとは我が母の談。
煙管で煙草も吸っていたらしい。

極めつけは・・・
正月になると親戚が集まり花札大会が開催されていたのだが、
(私が生まれる前の話←従姉妹中で一番年下)
夜が更ける程目をランランとさせ誰よりもすごかったのだとか。


はあ。
血は十分なのに、酒も煙草も賭け事もせず、むしろスミマセンみたいな。