突然の風景

最初「情景」と書いたけど調べて風景に直した。

=情景=
人間の心の働きを通して味わわれる、景色や場面。

と出てきたから。
特に「心の動き」は無い話なので。

アチコチ行き過ぎるというほどは旅をしていないと思うのだが、
見た景色を1カットだけ切り取り記憶に留めている事が多いようだ。
「ようだ」ってのは自分で意識してやってる行為ではないから。
ただ時々それを認識させられることがある。

ふと、何でも無い時に何でも無い風景が脳裏に浮かぶことがある。
それがなんとも説明のつかない話だが自分に対して2つ疑問が。

1つは「何で今?」
まあそれは今更始まった話ではないが、とにかくそういうことだ。
何か以前の旅を思い出して、のことではない。
唐突に何の脈絡もなく脳裏に浮かぶ。

そして2つめは「どこ?」
特別な、例えば旅先で綺麗な景色だった、とかならまだいい。
それならば1つめの疑問「何で今?」だけで済む。
ところが大して劇的なシーンでないことがよくある。

景色でもなく、思いいれもないシーン。
言うなれば、旅の途中で見た特に何でもない街中のビジュアルだったりする。
だから、そこがどこであるか思い出すのに時間がかかる。

誰かと会話していて言葉が引っかかり何かを思い出した、ではない。
突然だ。
例えば電車に乗っていてボンヤリしていたら思い出した、とか。

年を取り記憶力も低下して、脳内で記憶が乱雑になっているのかもしれない。
記憶がシェイクされて突然表面に出たものが「何だこれ?」と。
大きく困ることはないが・・・
ヒマであると、いや、ヒマでなくてもなんだが・・・
それを「いつ・どこ」のシーンか思い出そうとしてしまうのが小さな問題だ。
「楽しかった」「おいしかった」「面白かった」の記憶に繋がるならまだしも、
思い出したところで「あの時歩いたあの街だ」で終わることが多い。
そんな記憶・・・唐突に思い出さなくてもいいと思うんだよ。