一度下書きを保存したはずが・・・消えてる。
書くなということか?と思いつつもう一度書く。
だって残しておきたい。
寒くなってすっかりホットカーペットの上で寝ることが増えた。
すぐ横にあるベッドから掛け布団だけ引きづり床はホットカーペットだ。
だって寒いから。
昨日もそうだった。
夕食を食べてボヤボヤしていたら眠くなりそうした。23時頃。ちょっと早寝だった。
暗闇で携帯が鳴る。
表示は兄ちゃん。真夜中の兄ちゃんからの電話。
一生に一度かかってくる電話。そして一生で一番出たくない用件の電話だ。
だけどすぐに出なければとも思う電話だ。
救急車を呼んで到着するまでの間にかけてくれたことがわかる。
コチラ側ではなにもできない。
1時間も経たないうちだっただろうか再び電話がきた。
完全なる報告だった。
ともかく朝までは動けない。
電話では電話代が膨大なのでラインを繋ぎながら朝を待つ。
途中大泣きもした。それでも何も変わらないのはわかっているが。
3時半くらいに出かける用意をしないとと気づく。
風呂も入っていないので入って身支度をし5時前に家を出た。
時間はあったので経路を調べたら京都駅経由が早い。近鉄に乗って京都駅へ。
京都駅で新幹線の切符を買いホームへあがると新幹線の始発に間に合った。
自由席に落ち着いてしばらくすると涙が零れて止まらない。
周りに知る人がいるわけでもない。流れるまま泣く。
地元の駅に着く頃に仕事の始業時間が近い事に気づき先輩にメール。
優しい返答をいただく。また涙。
電話できるところまで来て会社に電話。
昨日付けで派遣終了を先に言ったらそら驚かれた。もちろん理由を話して了承頂く。
派遣会社にも電話。ひとまず自分の事を終わらせないと母の事に専念できないから。
実家のドアをあけて家の中へ。
兄ちゃんは午前中だけ仕事に行っているのはわかっている。
帰ってくるまで待つ間、また大泣きした。隣に聞こえていただろう。
もう出迎えてくれる母ちゃんは・・・いない。
親父の時と違い血を吐いた跡などなく痕跡が見当たらない。
だから余計にただ留守なのではないかと錯覚してしまう。
だけど実感している自分もいた。
ボンヤリしている場合でもなく葬儀社に電話。
母ちゃんは生前互助会に入っていて支払済みだと言っていた。
そんなことをしているうちに兄ちゃんが帰ってきた。
長いこと母ちゃんが働いていた病院に行ったりなどしてようやく警察へ母ちゃんを迎えに行く。
入浴中に物音がしないので兄ちゃんが声をかけて入ったところうつぶせに顔を浴槽につけていたと聞く。
親父の時にかかりつけの病院もなく突然死だと解剖にまわされると聞いたことがある。
母ちゃんは以前の勤務先に通院していたが家の中で裸での突然死のため、状況によっては解剖にまわされるらしい。
警察で長くて短い間兄ちゃんと待つ。
心配していた解剖にはならなかった。
検死により出た答えは【虚血性心不全】なるもの。
後で調べると本当にもう突然心臓が止まった、というものだそうだ。
風呂場でとのことで裸は可哀想だからと新品の下着を持参したが警察では何もできなかった。
葬儀社さんが浴衣に着替えさせてくれていたのは救い。
当初兄ちゃんは家に連れ帰りたがっていた。
だが葬儀社さんの話だとウチは階段が急で玄関がかなり狭いので遺体が傷むらしい。
それでも兄ちゃんが決断するまでは何も言えなかったが決断してくれて、
母ちゃんは葬儀社さんに運ばれることになった。
私はまだ母ちゃんの顔を見ることができていない。
葬儀社さんに運ばれてようやく母ちゃんと対面できた。
案外綺麗な顔をしている。
溺死になるのかと思っていたが多少水は吸ったが恐らく心配停止が先でそれほどでないと言う。
私よりも身だしなみに気を使う人だったからそれは良かった。
兄ちゃんと2人で最期のお別れの初日を過ごす。
家ではないので時間が決められている。
家族で初日なので多少は融通してくれたが。
世知辛くも葬儀を決めなければならない。
兄ちゃんがどうしても仕事があり少しだけ会社に行った。
その間に決められることを・・・というが私1人で決められる事はそう無い。
親父の時はセットで全部となっていたが現代は1つ1つ決めて組み合わせる。
まあ・・・こんなこと言うと何だがバイキング方式。
合間にエンディングノートを見る。
71歳の北海道旅行の際に渡したもの。
本当は葬式の欄など埋めてほしかったが自分史に熱が入っていたのがわかる。
葬儀は最小限で花だけ沢山にしてくれというのがわかる。
それは生前にもよく言っていたこと。
あとは自分の和服にしてくれとも。
兄ちゃんが合流して葬儀の事を決める。
火葬場が混んでいて1週間後となる。
その間は葬儀社さんでお線香をあげられるとのこと。
こちらも常時待機はできないが自由に来て顔を見てもらえるのは今の状況にはよくあっている。
葬儀は色々組み立てたら50万円ほど。
互助会を払っていてこれだ。無ければ恐らく倍程度かかるのだろう。
他にお坊さんへと火葬場への支払いがある。
だけど削りに削ってのこと。これ以上削る気にはなれなかった。
告別式は兄妹2人だけ。
母ちゃんの希望であり、兄妹での要望でもある。
他はかなり削ったが母ちゃんの化粧と花祭壇だけは曲げなかった。
とはいえ花祭壇は一番安いものだけど。
昨日は人生のうちで一番長い一日だった。