どこかにある日

嫁同士である、父方の田舎に住む伯母が母ちゃんと幼馴染でもある。
(ちょっとややこしいな)
通常なら嫁同士だから結婚してからのつきあいだが、幼馴染なので小さい頃から知っている仲だ。
お年寄りで足が悪く1人で電車を乗り継いでくるには無理がある。
先日、その娘夫婦はお線香をあげにきてくれた。
だが本当はその伯母がまずは来たいのだ。
年寄りだしコロナもあるし本人が遠慮します、というならそれはそれで良いと思っている。
けれど電話で話してみれば「行きたいけれど周りが『コロナだから』と止める」と判明。
娘夫婦は車に乗せてきてやることもしない。自分達が来ればそれで終わりだと思っている。
「来たい」という意思を聞いたので兄ちゃんと迎えに行こうとしたところ、
それを聞いてようやく連れてきてくれることになった。
最初からそうしろよ、と言いたくもある。言わないが。
そんなこんなで伯母が来てくれた。
涙を流して別れを惜しんでくれている。

時同じく本日は私の友達も来てくれた。
母ちゃんも伴ってよくドライブに行っている友達2人とその子供達だ。
1人は小学校からの友人。彼女も数年前にお母さんが急死した人。
しかもウチより相当若かった。
私が悲しむ以上にきっともっと悲しかったのだろう。
もう1人は1つ上の友人。地元が一緒だが大人になってから知り合った人。
それぞれの子供達は生まれる前から見てきた。
母ちゃんも知っている。もう一緒にドライブに行くことは無い。

伯母と従姉妹は帰り友達親子達と食事に行った。
ついつい話に花が咲き、子供が飽きてしまう(それはそうだ)
同級生の友人宅に行ってまた話し込む。
恐らくきっと私の気落ちを気遣ってくれたのだろう。
私と彼女は弱音を吐きあわない。
何でも話すことが親友だ、などと思っていない同士だ。
そもそも「親友」などという言葉でくくりつけたりもしない仲。
だから慰めや悼む言葉なんて互いに出さない。
ただ懐かしい話をするだけ。
いつかこいつに何か返せるだろうか。

そして・・・今日がゆっくり母ちゃんと別れをする最期の日だった。