未来の指針

生前、母ちゃんに「お母さんが死んでも兄ちゃんの面倒は見ないよ?」とよく言っていた。
それほど母ちゃんは兄ちゃんの世話を焼いていた。
食事は3食、家事もほぼしている。
私は奥さんでも母親でもないのでそこまでやる気は無い。
そもそも旦那でもそんなには無理だ。
だからそう言っていた。
東京に帰る気が無いことも言っていた。

ところが、考えが変わることはあるものだ。

数年後に兄ちゃんの好きな土地に越して一緒に住もうという話になった。

互いに何か目標が無いと生きていくことができないとわかったから。
私も私で母ちゃんが死んだら生きていく気力がなくなるのはわかっていた。
それこそやる気がなくなるだろうと。
実際は思っていたほど無気力ではないがやる気が無いのは確かだ。

なので何か違うことをする必要がある。

きっと地元を離れて拘らない生き方をしてきたことに意味があるのだろう。
今住んでいる土地にしばらく戻るが一生でなくていいと思っている。

兄ちゃんが元気になったようだ。